患者のせきやくしゃみなどにより空中に飛び出した、おたふくかぜウイルスを吸い込むことにより感染します。
潜伏期間は、2~3週間で軽度の発熱と耳の痛みで始まり、耳の下(耳下腺)のはれが顕著になりますが、その症状は通常5~7日で回復に向かいます。
おたふくかぜの合併症としては無菌性髄膜炎、脳炎、睾丸炎(精巣炎)、膵炎などが報告されています。
合併症が起る頻度は無菌性髄膜炎(症状としては発熱、頭痛、嘔吐)が約10人に1人、脳炎(症状としては発熱持続、けいれん、意識障害)が、5~6,000人に1人と報告されています。
思春期頃におたふくかぜにかかった人のうち、数%の人が睾丸炎(症状としては発熱、睾丸腫脹)を合併しますが、男性不妊の原因となることは極めて稀です。
また、小児の突発性難聴者におたふくかぜの感染によると思われる例があることがわかってきており、その頻度は約15,000人に1人程度と考えられています。
おたふくかぜの感染者は小学校低学年や幼稚園のこどもたちに多くみられます。一度おたふくかぜにかかたひとが耳下腺炎を起こす例も再発性耳下腺炎として報告されていますが、おたふくかぜウイルスの感染によるという確実な証拠はありません。
予防接種を受けた人のほとんどに免疫ができます。しかし、抗体の低下する症例が報告されており、ワクチンの有効率は90%前後ではないかと考えられます。
小さい頃におたふくかぜにかかった場合、特徴的な症状を示さない、いわゆる不顕性感染で終わる例もあります。既に抗体のある人にワクチン接種を実施しても問題はなく、免疫は高められます。
また、おたふくかぜワクチン接種後3週間前後に、発熱、頭痛、嘔吐等の症状が見られる無菌性髄膜炎が1万人に1人程度の頻度であらわれることがあります。 おたふくかぜワクチンを接種した人100万人に1人程度の頻度で、接種数日後から3週間前後に紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等症状の見られる急性血小板減少性紫斑病があらわれることがあります。また、まれに難聴、精巣炎があらわれたとの報告があります。
おたふくかぜワクチン接種後(30分間程度)にショック、アナフィラキシー様症状(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)がまれにあらわれることがあります。
おたふくかぜワクチンの接種は任意接種ですので、ワクチンの効果や副反応をお考えになったうえ、ワクチンの接種を受けるかどうかをお決めください。
なお、ワクチン接種は1歳をすぎたら早めに1回目を済ませ、4-5年後に追加接種をすることをおすすめ致します。